社会福祉法人監査

社会福祉法人監査の目的と必要性

社会福祉法人は「公益性の高い法人であり、国民に対して経営状態を公表し経営の透明性を確保していくことはその責務である」とされています。そのため、財務諸表を適切に作成し公表することが義務付けられています。

財務諸表は、「社会福祉法人会計基準」に準拠し作成されなければなりませんが、もし誤った財務諸表を公表するとしたら、利害関係者の意志決定を誤らせることとなります。さらに、自ら作成した財務諸表が適正であると自ら証明することはできません

そのため、監査法人・公認会計士による第三者の客観的立場からの監査が必要となるのです。

また、毎会計年度、「社会福祉充実残額」を算定し、これが生じる場合には、「社会福祉充実計画」の作成が義務付けられました。 社会福祉充実計画の策定に当たっては、「公認会計士、税理士等からの意見聴取」を行い、確認書として入手することとされています。

 

会計監査人監査が義務付けられている対象法人

適用対象となっている法人は以下のとおりですが、段階的に対象範囲の拡大が予定されています。 ただし、必要に応じて見直しを検討するものとされています。

  • 平成29年度、30年度 :収益30億円を超える法人又は負債60億円を超える法人
  • 平成31年度、32年度 :収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人
  • 平成33年度以降    :収益10億円を超える法人又は負債20億円を超える法人

 

2018年11月2日追記

厚生労働省より、平成31年度以降に予定されていた法定監査導入の対象範囲・段階的引き下げ(収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人)が延期されるとの周知がありました。

当該措置は、あくまで法人側の準備期間を考慮した延期措置ですので、今後法定監査の対象とならないということではありません。しっかりと導入準備を進めていくことをオススメします。

上記に該当しなければ監査は必要ないか?

上記の基準に該当しない法人につきましては、法律で義務化された法定監査という意味では必要ありません。

ただし、今後、社会的な要請の強まり等から法律改正により、順次その適用範囲の拡大が想定される状況にあると考えられます。

また、下記「会計監査を受けるメリット」に記載のとおり、監査対応を通じて、ガバナンスの強化、経理体制の充実、業務効率化などを図ることができる効果があります。

以上を踏まえ、法定監査の対象では無くとも任意に会計監査を受ける、または他の法人に先んじて法定監査の準備・導入を行うことにより、社会福祉法人運営の適正性を広くアピールすることができ、社会の要請に応えるとともに、法人経営をより強力に推進することができると考えます。

 

会計監査を受けるメリット

社会福祉法人が監査を受けるメリットは主に以下の通りになります。

  • 財務情報の信頼性の向上、ガバナンスの強化、これによる法人の社会的な信頼性の向上に寄与します。
  • 適時、適切な経営判断に不可欠な信頼性の高い財務情報を適時に把握できる管理体制の整備・経営力強化に寄与します。
  • 職業的専門家との定期的なコミュニケーションにより、経営課題を浮き彫りにし、課題解決に共に取り組むことができます。
  • 不正発見の早期化や、不正の抑制効果が期待できます。
  • 規程・内規の整備及び運用を見直すきっかけとなり、業務プロセスの見える化により、効率的な経営の実現に寄与します。
  • 会計監査人を選任した法人では、計算書類等は、理事会の承認を受ける前に、監事と会計監査人による二重の監査を受ける必要がありますが、会計監査人による計算書類等の監査が適正に行われているときは、監事は計算書類等の監査を省略することができます(監事監査の省略可)。
  • 指導監査要綱の見直しの際、会計監査人監査において確認する会計管理の関する監査事項の重複部分を省略することができます(行政監査の一部省略可)
  • 競争入札制度の適用条件が一部緩和されます。

 

社会福祉法人監査の流れ

会計監査を受ける必要が生じたとしても、すぐに監査を受けることはできません。監査を受ける前年度に、監査を受ける体制が整っているかの調査「予備調査」を受ける必要があります。予備調査後の体制整備の改善期間を、ある程度見込んでおきましょう。

監査のプロセスは以下のとおりですが、法人の状況によって異なることにご留意ください。

監査のプロセス

予備調査会計監査を受けようとする法人が、監査に協力する準備が整っているか、監査に対応可能な内部統制が構築されているかどうか等を調査します。法人内部組織などの調査を行い、当該体制に対応する監査計画の参考とします。
監査計画の立案内部統制の整備・運用状況、取引の実態などを分析して、誤った会計処理が生じる可能性の高い箇所(リスク)を特定します。リスクに焦点を当てた監査計画とすることで、効果的・効率的な監査の実施が可能となります。
監査手続の実施監査計画に基づいて具体的な監査手続を実施します。勘定科目ごとに各種の監査手続を実施することで、監査証拠を積み上げていきます。
監査意見の形成その勘定科目に誤りがないと確信できるところまで調べた結果を監査調書にまとめます。その結果を総合的に判断し、意見を形成するに足る合理的根拠が得られていることを確認した上で意見を形成します。
監査報告書の提出監査意見を監査報告書として法人経営者に提出します。

公認会計士監査において実施する手続

経営者および幹事とのコミュニケーション経営者および監事と、有効な双方向のコミュニケーションを図ります。
実査手元現金、預金証書、受取手形等の現物を会計監査人自らが確認することにより、資産の実在性等を確認します。
立会法人が実施する棚卸し資産の実地棚卸等の現場に会計監査人が立会い、内部統制の状況や資産の実在性等を確かめます。
確認勘定残高や取引の実在・網羅性等につき、取引先等の第三者に対して文書により問い合わせ、回答を会計監査人が直接入手します。
質問経営者、職員または外部の関係者に対し、取引の内容等について問い合わせます。
証憑突合会計データとそれを裏付ける証憑書類の照合によって、証憑書類に示された取引が正しく記録されていることを確認します。

年間スケジュール例

 

 

 

 

 

 

 

報酬

年度ごと監査費用は、「監査報酬」として頂いております。報酬は「単価/人 × 人数 × 日数」で計算します。

監査の実施前の「予備調査」において、経理体制を確認する事とともに、監査実施にどれくらいの工数(報酬)がかかるかを確認しております。

つまり、予備調査からご依頼の場合は、「予備調査報酬(初年度のみ) + 監査報酬」がかかります。

予備調査報酬

法人の規模や事業数などによりますが、概ね以下の金額からとなっております。

予備調査費用:500,000〜(税別)

監査報酬

予備調査の結果をふまえ、お見積もりさせていただきます。

 

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