税理士との顧問契約書に印紙は必要か?

税理士との間に結ぶ顧問契約書には印紙を貼る必要があるのでしょうか。
結論を言ってしまうと、契約書の内容により必要の有無が変わる、ということです。
今回は契約書の内容を確認する際のポイントを簡単に記載したいと思います。

 

仕事の完成を目的とした契約か否かをチェック

印紙税は、契約書が「課税文書」に該当するかどうか、つまり印紙税の対象となる文書か否かで判断します。
何が課税文書となるかは、印紙税法の「別表第一 課税物件表」に定められています。

いくつか取引が列挙されていますが、税理士との顧問契約は第二号文書「請負に関する契約書」に該当するか否かを確認しましょう。請負契約、つまり仕事の完成を目的とした契約が記載されている場合には第二号文書となり、印紙税の課税対象となります。

では、請負契約にいうところの「仕事の完成」とは何か。ざっくり言ってしまうと何らかの成果物を作ることです。税理士業務の場合は、税務申告書の作成業務などが該当します。

一方で、月次顧問契約などの会計・税務に関する相談業務などは仕事の完成を目的としていないので請負契約では無く、委任契約となります。

 

顧問契約書の記載を確認

それでは、顧問契約書の例示から印紙を貼る必要があるかどうか確認しましょう。

 顧問契約書例

委任者株式会社○○(以下「甲」という。)と受任者税理士◎◎(以下「乙」という。)は、税理士の業務に関して下記のとおり契約を締結する。
第1条 委任業務の範囲
 税務に関する委任の範囲は、次の項目とする。
1 甲の法人税、事業税、住民税及び消費税の税務書類の作成並びに税務代理業務
2 甲の税務相談
 会計に関する委任の範囲は、次の項目とする。
3 甲の総勘定元帳及び試算表の作成並びに決算
4 甲の会計処理に関する指導及び相談

上記には成果物として「税務書類」や「総勘定元帳」「試算表」の作成が含まれています。
よって、第二号文書に該当し、契約金額に応じた印紙を貼る必要が生じます。

なお、上記契約書の文言は「委任」となっていますが、契約書の実質的な契約内容がどういうものか、で判断しましょう。

また、印紙は契約書の作成者(この場合は税理士)が貼るとともに、正副2通作成した場合には、両方に印紙を貼る必要があることに留意してください。

 

まとめ

印紙税というと税理士の業務範囲のように誤解されがちですが、実は業務範囲外です(税理士法第二条)。
ではどの専門家の業務範囲かというと、印紙税法という法律なので弁護士になります。

ですが、実務上は、契約書のみならず請求書・領収書などを確認する機会は税理士が多いため、自然と税理士が対応することを求められます。

上記以外にも印紙貼付を判断する機会は多くありますが、契約書の内容をよく確認し、印紙税法の課税要件に該当するかどうか慎重に判断することが必要となります。