会計を企業経営のためにフル活用する 〜管理会計とは〜(3)

前回は、管理会計とは、財務会計とは異なり、意志決定に役立つように工夫された会計であることを解説しました。
では意志決定に役立つための原価や利益はどのように表示させれば良いのか。
今回からはこの点について解説していきます。

 

コストと利益は量との関係で分析する 〜CVP分析〜

売上を増やすためにはどうすれば良いでしょうか。方法は2つです。

①販売数量を増やす
②単価を上げる

単価を上げる場合はともかく、販売数量を増やす場合は、当然ですが原価も増えます。
では、単価が一定の場合、販売数量をどのくらい増やすとどのくらいの利益がでるのでしょうか。
言い方を変えると、黒字化するためには、最低どのくらいの販売数量を確保しなければならないのでしょうか。

つまり、コストとの利益の関係は量に伴って変化しますので、この関係を分析することは、将来の売上・利益予想を立てるときに役立ちます。
そして、売上・利益予想は、将来の経営方針や戦略を決めるという意志決定に重要な要素となります。

この関係性分析をCVP(Cost-Volume-Profit)分析といいます。

CVP分析は前回紹介した変動損益計算書を元に行いますが(詳細説明は次回以降)、その前段階として、量に伴って変化するコスト(変動費)は何か量とは無関係に発生するコスト(固定費)は何か、を特定する必要があります。
このようにコストを変動費固定費に分解することを固変分解といいます。

 

固変分解の方法は?

固変分解にはいくつかの方法があります。

費目別精査法
回帰分析法(最小自乗法)
③高低点法
④スキャッター・チャート法
⑤IE法 (Industrial Engineering Method)

このうち、実務でよく使われるのは①・②です。以後①・②を解説していきます。

 

費目別精査法とは

これは売上高の増減と関係のある物量(製造量、販売量、出荷量など)に対し、連動して増減するコストを変動費とするという基本的考え方から、勘定科目一つ一つを検討し、変動費と固定費を決めてしまう方法です。例えば、

変動費 ・・・ 材料費、外注加工費、消耗品費、荷造運賃など
固定費 ・・・ 人件費、地代家賃、減価償却費など

えいやっと決めてしまう方法ですので、実務上比較的手間がかからないというメリットがある反面、決め方に客観性を欠く、正確性に欠けるというデメリットがあります。

ともかく、ひたすらコストを勘定科目ごとに、これは変動費、これは固定費と割り振り、最後に変動費と固定費を集計すれば変動損益計算書を作ることができるのです。

 

まとめ

次回はエクセルを使った最小自乗法について解説したいと思います。