なぜ「節税」が必要なのか タックスマネジメントの必要性

税金を喜んで支払う人に、私は出会ったことがありません。当然といえば当然でしょうか。

それでも、納税は国民の義務であり法律で規定されているから、皆さん仕方なく、やむを得ず支払っているのが実情なのではないかと思います。

 

税金を少なくするには

なんとか税金を少なくしたい」。誰しも考えることです。
税金を少なくするには2つの方法があります。

①脱税する
②節税する

①は方法としてはありますが、絶対ダメです。なぜか。

税務調査などでいずれバレるからです。
バレたときのペナルティ(追加の税金、信用失墜、企業イメージダウン等)はハンパなく大きいです。

売上を抜く、架空人件費を計上するなど様々な手口がありますがやめておきましょう。

それでは②はどうか。合法的な節税はもちろんOKです。
節税は、お客様から税理士に最も期待されるものの一つといっていいでしょう。

少々厄介なのが、①と②のボーダーラインが曖昧なものがあることです。
一般の方ではわからないところだと思います。その辺をキチンとクリアして適正な申告書を作成することが専門家である税理士としての腕の見せ所なのです。

 

良い節税と悪い節税

例えば、今年度、利益が1000生じる見込みの、製造業を営む会社があったとします。
実効税率が30%とすると、このまま何もしないならば、300の税金を払い、手元に残るキャッシュは700となります。

一方で、ただ黙って税金をとられるのは嫌だからと、節税として800の高級車を購入したとします。
この場合、1000ー800=200×30%=60。税金は60で済みます。
ただし、この場合、手元に残るキャッシュは200ー60=140のみとなります。

果たして経営にとってどちらの選択が良いのでしょうか。

答えは前者です。なぜなら、製造業を営むこの会社にとって、高級車という設備投資は翌年度以降のキャッシュ・フロー創出に貢献するとは考えにくいからです。

もちろん、高級車には翌年度以降、減価償却費が発生しますので、ある程度の節税にはなります。

しかし、高級車それ自体を資産として経営に活用することで、翌年度以降のキャッシュ・フロー創出に貢献することは考えにくいことです。

つまり、良い節税とは、翌年度以降のキャッシュ・フローを増大させる設備投資や経費支出を指します。

また、そもそもキャッシュアウトを防ぐ節税策も良い節税です。

あまりほめられたものではないのが、上記の高級車購入のような単なる浪費(キャッシュアウト)となる節税策なのです。(念のため、高級車を購入するのが悪いと言っているのではありません)

 

戦略的タックスマネジメントが必要

つまるところ、「経営とは、いかにより多くのキャッシュを獲得するか、ということを考えて実行すること」に尽きます。そのための手段としての節税策です。節税をして、単純に「税金の支払を少なくすることができた」ということは目的ではないのです。

設備投資は、売上を伸ばし、究極的にはキャッシュを多く獲得することを目的として、その効果を慎重に見極めて実施するはずです。節税策もそれと同じです。中長期的視点が重要になるのです。

「より多くのキャッシュを獲得する」という経営課題を解決していくための経営戦略として、節税というタックスマネジメントを検討・実行することが必要なのです。

 

まとめ

今回は個別の節税策よりも「節税策を戦略的に実行する必要性」に焦点をあてて説明しました。今後、個別の節税策について記事にしていきたいと思います。