公認会計士と税理士の違い

「公認会計士と税理士の違いを教えて下さい」という質問をよく受けます。
どちらも税務や会計などを中心とした業務を行っているので、混同されてしまう方もいらっしゃると思います。

あらためて、両者の特徴を解説したいと思います。

 

公認会計士とは

独占業務は?

公認会計士の独占業務は、監査業務です。
監査業務とは、企業・団体が作成した財務諸表が適正であるかどうかを第三者の立場からチェックし監査意見を表明するものです。

金融商品取引法や会社法などの法令に基づき、公認会計士の監査を受けなければならない会社・団体が定められています。

公認会計士になるにはどうすればいいのか?

ざっくりですが、以下のステップとなります。

  1. 公認会計士試験に合格する
  2. 2年以上、業務補助を行う
  3. 一定期間の実務補修を受ける(②と③は同時並行が多い)
  4. 修了考査に合格する
  5. 日本公認会計士協会にて公認会計士としての登録手続をする

公認会計士試験の受験資格

誰でも受験が可能。年齢・性別・学歴に制限はありません。

公認会計士試験の受験科目

  • 必修科目:財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法
  • 選択科目:経営学、経済学、民法・統計学から一科目

試験は短答式(マークシート方式)試験(年2回実施) → 論文式試験(年1回)実施。
短答式では一括合格を、論文式でも原則一括合格(一部科目合格有)が必要。

一度に学ばなければならない学習範囲が広範囲であることが特徴です。

 

税理士とは

独占業務は?

税理士の独占業務は税務業務です。
具体的には、納税者に代わって税務申告を行う税務代理、税務書類の作成提出の代行、税務相談となります。

税理士になるにはどうすればいいか?

税理士資格取得には3つの方法があります。

  • 税理士試験に合格(大学院卒による免除制度有)
  • 「弁護士」「公認会計士」資格を取得 → 税理士資格を取得
  • 税務署などの国税官公署で23年以上勤務

税理士試験に合格する方法の場合、関連する分野での2年以上の実務経験が必要となります。

いずれかの方法により税理士資格を取得し、日本税理士連合会に登録手続を行うことで税理士になることができます。

税理士試験の主な受験資格

  • 短大・大学の卒業者(一般教養科目を含めて、「経済学」または「法律学」を1科目以上履修)
  • 専門学校の卒業者(修業年限2年以上、総授業時間数が「1700時間」以上の学校で「経済学」又は「法律学」を1科目以上履修)
  • 日商簿記検定1級または全経簿記検定上級に合格
  • 実務経験2年以上(法人などの経理事務では複式簿記による仕訳や決算・財務諸表作成業務を経験
  • 司法試験の合格者、公認会計士試験の短答式試験の合格者

税理士試験の受験科目

以下の科目から5科目を選択し合格する必要があります。

  • 必修科目:簿記論、財務諸表論
  • 選択必修科目:所得税法、法人税法(1科目以上選択)
  • 選択科目:相続税法、消費税法、事業税、国税徴収法、酒税法、住民法、固定資産税
    (消費税法・酒税法と住民税・事業税はどちらか1科目のみ選択可)

 

どちらの試験が難しいか

どちらも難関の国家試験を合格しなければなりませんが、難易度は甲乙付けがたいと思います。

いずれの試験も合格率は10%前後、合格まで膨大な勉強時間が必要となります。

 

どちらに相談するべきか?

では、税理士と公認会計士のどちらに相談すべきか、業務ごとに紹介します。

税務申告の代理・税務(節税)相談

税務相談は税理士の独占業務なので、税理士に相談しましょう。

(ただし、業務として税務業務の資格がないだけであって、試験科目に「租税法」があることからもわかりますが、公認会計士も税務に関する知識・経験は十分にあります)

会計監査業務(独立監査人による監査意見)

法定監査(金商法監査、会社法監査、公益法人監査、学校法人監査等)は公認会計士の独占業務です。公認会計士に相談しましょう。

任意監査(法令に基づかない監査)においても、一定の証明水準を確保するためには専門性が求められる関係上、公認会計士(監査法人)に依頼しましょう。

なお、会計事務所による「巡回監査」は上記公認会計士監査とはまったく関係ありません。

記帳代行

記帳代行は会計の専門家である税理士・公認会計士どちらでも相談することができます。

経営相談

税理士・会計士ともに多くの会社を見ている専門家なので、どちらに相談しても問題ありません。

M&Aに関する相談

M&Aに関する相談は、公認会計士の方が良いと思います。
なぜなら、M&Aで行われる財務デューデリジェンスや企業価値評価は企業会計に関する専門的な知識が必要であり、一般的には公認会計士が得意とするところです。
ただし、案件によっては税務デューデリジェンスが必要となりますので、その場合は税理士に相談すると良いでしょう。

 

まとめ

なかなかなじみの薄い税理士や公認会計士の業務について、イメージしていただけたでしょうか。

私自身、2つの資格の違いがよくわからなかったので、資格受験勉強にあたり、両者の特徴・相違点を調べた記憶があります。

2つの資格は異なる部分もありますが、共にお客様の不安やお悩みを解決する会計税務プロフェッショナルなのです。