災害に関する税金

2018年は災害の多い年でした。6月の大阪北部地震、7月の豪雨、9月の大型台風、北海道胆振東部地震と大規模な災害が相次ぎ、甚大な被害を引き起こしました。

災害については、通常とは異なる税務上の取扱があります。

 

法人が有する資産が被災した場合

災害により資産が滅失又は損壊した場合

保有する商品や製品等の棚卸資産、建物や車両等の固定資産が災害により損壊した場合には、その損失の額は税務上の費用(損金の額に算入)となります。

 

復旧のために要する費用

災害により被害を受けた固定資産の復旧のための費用、原状回復費用は修繕費として税務上の費用(損金の額に算入)となります。

被災した資産について、被災前の機能を維持するために行う補強工事、排水または土砂崩れの防止等のために支出する費用を修繕費とした場合には、税務上の費用(損金の額に算入)となります。

 

災害見舞金等

支出した法人の取扱い

災害により従業員やその親族に対して社内規程等の一定の基準に従って支給する災害見舞金等は、福利厚生費として税務上の費用(損金の額に算入)となります。

法人が、被災した取引先に対して、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程において災害見舞金等を支出した場合には、交際費等に該当しないものとして、税務上の費用(損金の額に算入)となります。

加えて、被災した取引先に対して復旧支援を目的とした売掛金や貸付金等の債権免除や、低利・無利息による融資を行った場合における利息と通常受けるべき利息との差額についても、寄付金または交際費等に該当しないものとされています。

あくまでも復旧支援を目的としたものに限定されることに気をつけなければなりません。

 

自社製品を被災者に提供する場合

不特定または多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に関する費用は、寄付金または交際費等に該当せず広告宣伝費に準ずるものとして税務上の費用(損金の額に算入)となります。

 

受領した法人の取扱い

法人が被災し、取引先等から災害見舞金等を受領した場合には、受領した法人において受贈益として税務上の収益(益金の額に算入)となります。

特別な取扱いは用意されておらず、通常の贈与を受けた場合の取扱いと同様となります。

 

受領した個人の取扱い

個人が被災したことにより災害見舞金等を受領した場合、その金額が受け取った人の社会的地位、贈与した人との関係を考慮し、社会通念上相当と認められるものについては、課税しないものとされています。

 

被災地域の地方公共団体に対する義援金

法人が、被災地域の地方公共団体に義援金を支払った場合、原則として全額が税務上の費用(損金の額に算入)となります。

日本赤十字社や中央共同募金会等を通じて地方公共団体に義援金を支払う場合においても、原則としてその全額が税務上の費用(損金の額に算入)となりますが、その義援金がその団体の事業資金に使用されるなど最終的に地方公共団体に交付されるものでは無い場合には、寄付金として損金算入限度額の範囲内で税務上の費用(損金の額に算入)となります。

 

申告期限と納付期限の延長

災害などの理由により、国税に関する申告、納付などをその期限までにできないと認める場合には、所轄の税務署長等はその理由の止んだ日から2ヶ月以内に限り、申告、納付などの期限を延長することができます。
申告期限と納付期限の延長は、国税庁長官が地域および期日を指定して期限を延長する地域指定の方法と、納税者の申請により所轄税務署長が期日を指定する方法があります。